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日別アーカイブ: 2026年7月24日

地盤災害を未然に防ぐ

皆さんこんにちは!

株式会社サカジオです。

 

~地盤災害を未然に防ぐ~

 

地質・土質調査業の役割は、建物をつくる前に地盤の強さを確認することだけではありません。

大雨による斜面崩壊、地震による液状化、盛土の沈下、河川堤防の変状、道路の陥没など、地盤に関係する災害やトラブルを防ぐためにも調査技術が活用されています。

地盤は目に見えないうえ、場所によって性質が異なります。さらに、雨、地下水、地震、工事などの影響を受けて変化します。

そのため、現場で得たデータを分析し、将来どのような変化が起こる可能性があるかを予測する技術が重要です。

今回は、防災や維持管理を支える地盤解析と、進化を続けるデジタル技術について紹介します😊

複数の調査結果から地質断面をつくる🗺️

ボーリング調査では、調査地点ごとに地層の種類や深さを記録します。

しかし、ボーリング孔は地盤の一部分を細く確認したものです。その地点だけの情報では、地層が周辺へどのように広がっているかは分かりません。

そこで、複数地点の柱状図、地形、露頭、過去の調査資料などを比較し、地層の広がりを推定します。

調査地点同士を結び、地下の地層を横から見たように表現したものが地質断面図です。

地層は必ずしも水平に広がっているわけではありません。傾斜していたり、途中で途切れていたり、断層によってずれていたりすることがあります。

昔の谷を土で埋めた造成地では、同じ敷地内でも盛土の厚さが大きく異なる場合があります。

地形や土地の成り立ちを理解しながら地層をつなぐには、地質学的な知識と経験が必要です🔍

支持力と沈下を予測する地盤解析🏗️

建物や橋梁をつくると、地盤には大きな荷重が加わります。

地盤が荷重に耐えられなければ、基礎が沈み込んだり、周囲の地盤が盛り上がったりする可能性があります。

調査で得たN値、土の強度、圧密特性などを使用し、地盤がどの程度の荷重を支えられるかを計算します。

また、構造物の完成後に発生する沈下量や、沈下が進む期間も予測します。

重要なのは、沈下量の大きさだけではありません。

建物全体が均等に沈下する場合よりも、一部分だけが大きく沈む不同沈下のほうが、建物へ深刻な影響を与えることがあります。

地層の厚さや硬さが敷地内で異なる場合は、基礎の場所ごとに沈下量が変わる可能性があります。

解析結果を基に、直接基礎、杭基礎、地盤改良などの方法を比較します。安全性だけでなく、施工性、費用、周辺環境への影響も含めて検討します。

液状化の可能性を評価する🌊

地震時に注意が必要な地盤現象の一つが液状化です。

地下水で満たされた緩い砂地盤が強い揺れを受けると、砂粒同士のかみ合わせが弱まり、地盤が液体のような状態になることがあります。

液状化が起こると、建物の沈下や傾斜、マンホールや地下構造物の浮き上がり、道路の変形などが発生する可能性があります。

液状化判定では、地層の種類、N値、粒度分布、地下水位、想定される地震動などを確認します。

地下水位より上にある地盤や、粘土分を多く含む地盤は、一般的に液状化の対象になりにくいと考えられます。

一方、地下水位が高く、粒のそろった緩い砂層が存在する場合には注意が必要です。

液状化の可能性が高い場合には、地盤を締め固める、排水性を高める、固化材で地盤を固める、杭で支持するなどの対策を検討します。

斜面崩壊を防ぐ調査技術⛰️

山間部や造成地では、斜面の安定性を確認することが重要です。

斜面を構成する土や岩が弱い場合、大雨や地震をきっかけに崩壊する可能性があります。

斜面調査では、地形、地質、亀裂、湧水、植生、過去の崩壊跡などを確認します。

地表に小さな段差や亀裂が見られる場合は、斜面が少しずつ動いている可能性があります。

ボーリング調査を行い、軟弱な地層や滑りやすい面が地下に存在しないかを調べます。

地下水は斜面の安定性へ大きな影響を与えます。雨水が地中へ浸透すると、土の重量が増えるだけでなく、土粒子を押し付ける力が弱まり、斜面が滑りやすくなります🌧️

観測孔を設置して地下水位を測定したり、地中へ計測器を入れて斜面の変位を確認したりします。

調査結果を使って斜面安定解析を行い、安全率を計算します。

必要に応じて、排水ボーリング、擁壁、アンカー工、杭、法面保護工などの対策を検討します。

地すべりの動きを計測する📏

地すべりは、広い範囲の土塊が地下の滑り面に沿ってゆっくり移動する現象です。

急激に崩れる場合だけでなく、数か月、数年かけて少しずつ動くこともあります。

地表の測量、GNSS、伸縮計、傾斜計、孔内傾斜計などを使って、地盤の動きを継続的に観測します。

孔内傾斜計では、地中に設置した管の傾きを測定し、どの深さで変位が集中しているかを確認します。

特定の深さで変位が増えている場合、そこに滑り面が存在する可能性があります。

地下水位や降雨量のデータと変位量を比較すれば、大雨の後に地すべりが活発になるかなどを把握できます。

継続観測では、計測器を正しく設置し、同じ条件で測定を続けることが重要です。

わずかな変化を捉えるため、測定誤差や機器の劣化にも注意しなければなりません。

地盤改良の品質を確認する🔧

軟弱地盤に建物や道路をつくる場合、セメント系固化材を混ぜたり、砂杭を施工したりして地盤を改良することがあります。

地盤改良工事では、施工しただけでなく、計画どおりの強度や範囲が確保されているかを確認する必要があります。

改良体から試料を採取して一軸圧縮試験を行ったり、コアボーリングによって連続性を確認したりします。

施工中の材料使用量、攪拌回数、施工深度などの記録も重要です。

地中に施工されるため、完成後は直接見えません。記録と品質試験によって、見えない改良体の性能を確認します。

土質によっては、同じ量の固化材を使用しても強度の出方が異なります。

有機物を多く含む土や水分の多い土では、固化しにくい場合があります。施工前に室内配合試験を行い、必要な固化材量を検討することが大切です🧪

ドローンと3次元計測の活用🚁

近年、地質・土質調査でもドローンや3次元レーザースキャナーが活用されています。

ドローンを使えば、人が近づきにくい急斜面や崩壊地を上空から撮影できます。

広い範囲の地形や亀裂、湧水跡などを確認し、調査計画を立てる資料として活用できます。

複数方向から撮影した写真を解析し、地形の3次元モデルを作成することも可能です。

過去の3次元データと比較すれば、斜面が削られた場所、土砂が堆積した場所、地形が変化した範囲を把握できます💻

レーザースキャナーでは、地表面の形状を大量の点群データとして取得します。

現地測量だけでは確認しにくい細かな地形変化を立体的に記録できることが特徴です。

ただし、樹木や草が密集している場所では、地表面を正確に取得しにくい場合があります。現地踏査やボーリング調査と組み合わせることが重要です。

GISで調査データを一元管理する🗺️

地質・土質調査では、ボーリング位置、柱状図、地形、地下水位、災害履歴など、多くの情報を扱います。

GISを活用すれば、それらの情報を地図上で重ね合わせて管理できます。

過去に調査したボーリング地点を表示し、周辺の地盤情報を確認すれば、新しい調査計画を立てる際の参考になります。

土地利用、標高、傾斜、河川、活断層、浸水想定区域などの情報と組み合わせることで、地盤リスクを広い視点から評価できます。

ただし、古い調査データでは、位置や標高の精度が現在と異なる場合があります。

資料の作成年代や調査方法を確認し、情報の精度を理解したうえで使用する必要があります。

デジタル技術と技術者の経験を組み合わせる🤝

AIやデジタル技術が進歩すると、大量の地盤データを整理し、地層や災害リスクを予測しやすくなります。

しかし、地盤は地域ごとに成り立ちが異なり、同じ数値でも意味が変わることがあります。

機械が示した結果をそのまま採用するのではなく、現地の地形、土の状態、地下水、施工履歴などを確認することが必要です。

小さな湧水、地表の亀裂、植物の傾き、周辺住民から得た過去の情報など、数値化しにくい情報が重要な手がかりになることもあります。

デジタル技術は技術者の判断を置き換えるものではなく、より正確な判断を支援する道具です。

地質・土質調査は地域の未来を守る仕事🌟

地盤に関する災害やトラブルは、一度発生すると建物や道路だけでなく、人々の生活や地域経済へ大きな影響を与えます。

だからこそ、問題が起こってから調べるのではなく、事前に地盤の特徴を知り、必要な対策を行うことが重要です。

地質・土質調査業では、ボーリング、現場試験、室内試験、解析、計測など、さまざまな技術を組み合わせて地盤を評価します。

地下の状態を完全に見ることはできません。それでも、限られた情報を丁寧に集め、地質の成り立ちを考え、将来の変化を予測します。

地質・土質調査業は、見えない地盤のリスクを明らかにし、安全な建設と災害に強い地域づくりを支える仕事です。

私たちが安心して暮らせる街の土台には、地面の下を読み解く専門技術が活用されているのです🗺️🪨✨